6月末から7月上旬にかけて、3年ぶりにルクセンブルクに出張してきました。今回ルクセンブルク訪問の目的は、ルクセンブルク貿易投資事務所のディレクター会議への参加と、テックイベント『ICT SPRING』へ参加する日本企業・機関の方々の支援です。『ICT SPRING』での体験と皆様のご活躍については、8月24日に開催する同イベント参加報告会にて詳しくお話しますので、お時間ゆるせば是非ご参加ください。

日本からルクセンブルクへの渡航にはワクチン接種証明書の提示も不要となっており、気軽に出かけることができます。日本への帰国には帰国便出発前72時間以内のPCR検査陰性証明書が必要でやっかいですが、空港での帰国時PCR検査がなくなり随分負担が減りました。ただし、6月後半から現在に至るまで、ヨーロッパの空港はひどい混乱に陥っており、フライト遅延、欠航、ロストバゲージが頻発する事態が続いています。急な航空需要回復に、コロナによる人員整理の影響やストライキなどで、空港のオペレーションが全く追いつかないとのことです。ルフトハンザでは夏の航空便約6000便が欠航予定、ロンドン・ヒースロー空港では1日の出発客を10万人に制限するなどのニュースが未だに流れてきますので、状況改善へはしばらくかかりそうです。幸い、私は帰国便が一回変更されただけで、往復便とも無事スーツケースも一緒に移動できました。

久しぶりのルクセンブルクは、懐かしい旧市街の様子はそのままでしたが、市内を走るトラムが中央駅まで延長され、新しいショッピングセンターが複数オープンするなど、新しい光景もちらほら見られます。公共交通機関が全国で無料になったのは2020年でしたので、今回トラムやバスを初めて無料で利用し、「支払いを気にしなくて良い」という心理的開放感も味わうことができました。街中でテスラを含むEVが増えた印象もあります。インフレ率は6月時点で6.8%で、現地の買い物でも物価高を感じました。コロナ対策は、病院内や老人ホームでのマスクの着用やワクチン接種の推進などに限られており、ほとんどの人がマスクをせず普通の日常生活を送っています。その代わり感染は広がっていて、もう2回罹患したという人も多数います。政府や商業会議所が無料で自己抗原検査キットを企業に配布しているため、皆、気になった際には職場から支給されたキットで検査し、陽性がでたら保健所に報告したりPCR検査に行ったりしている様子です。

『ICT SPRING』はルクセンブルクを代表するテックイベントですが、日本のスタートアップを同イベントに招待するようになって今年でちょうど10年目です。イベント最終日に当事務所が主催した日ルク交流ディナーには、ルクセンブルク政府関係者、スタートアップ支援機関代表者、現地の日本政府機関や日本企業代表者の方々が多く参加くださり、10年間で強固になった絆を実感しました。3年ぶりのリアル開催となった今年は、6社の素晴らしいスタートアップ企業と、視察でいらした政府系機関、メディアの方々とご一緒して充実した3日間を過ごしました。イベント前日に当事務所がご用意した現地視察ツアーでは、日本大使館に奥山駐ルクセンブルク日本大使を表敬訪問させて頂き、楽天ヨーロッパ、ispaceヨーロッパ、ボーダフォンが手掛けるアクセラレーション、Tomorrow Street、ルクセンブルクの大型インキュベーションHoST(House of Stratups)を訪問しました。『ICT SPRING』では日本のスタートアップ出展やピッチ、フィンテック協会の鬼頭氏による登壇などで現地にて日本の存在感を示せたのではないでしょうか。

今年の10月は、26-27日にTomorrow Streetが主催するイノベーションイベント『Arch Summit』が、27-28日に欧州有数の宇宙ビジネスカンファレンス『New Space Europe』がルクセンブルクで開催されます。これらのイベントが日本とルクセンブルク双方の企業が交流するきっかけになることを願っています。

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