日本の水際対策の緩和を受け、海外からの旅行者を街で見かけることが増えてきました。来日機会が急に増えたのはビジネスや政府関係者も同様です。2020年4月から延期になっていた日本・ルクセンブルク首脳会談出席のため、グザビエ・ベッテル総理大臣がユリコ・バッケス財務大臣を伴い10月中旬に来日しました。ベッテル首相は先日の安倍元総理の国葬に参列したため、3週間の間に二度日本に足を運びました。バッケス大臣は、財務大臣就任後初のアジア外遊で、ワシントンでIMF総会に参加し、その足で日本に渡航しました。10月18日に開催された首脳会談では、岸田総理とベッテル首相が、二国間の関係強化を目指し、経済関係では、特に宇宙、金融、医薬品などの分野で、スタートアップとの協力を含め、様々な協力を進めることで一致しました。首相と蔵相は、林芳正外務大臣が会長を務める日ルクセンブルク友好議員連盟主催の朝食会に招かれ、昨今の国際情勢や金融を含む経済交流などにつき幅広く意見を交換しました。フェリング駐日大使主催のレセプションでは、ベッテル首相が「我々の政府は、親日派で知られた前財務大臣(注:元駐日ルクセンブルク大使のピエール・グラメーニヤ氏)の後任に、「ユリコ」という日本名を持つ神戸生まれの大臣を置いた。これ以上、日本に友好的な政府は他にないだろう」と、日本との絆を強調すると会場が笑いに包まれ、終始和やかな雰囲気でした。

11月末から12月の頭にかけて、フランツ・ファイヨ経済大臣の来日が予定されています。首脳会談でも話題に上った経済交流の発展や、大阪万博に向けての準備に資する訪問となるよう準備を進めています。

二国間経済交流促進の新しい一歩が、10月3日に調印されたジェトロと、Luxinnovation、およびルクセンブルク商工会議所との協力覚書(MOC)です。2つのMOCを通じて、日本企業のルクセンブルクへの進出および同国を通じた欧州市場への展開と、ルクセンブルク企業の日本進出や輸出拡大が支援されます。在ルクセンブルク日本大使館で行われた調印式にはファイヨ経済大臣も参列しました。さっそく11月16日には、ジェトロとLuxinnovationが共催するオンラインセミナー「ルクセンブルク発!ICTビジネスの可能性」が開催されます。ルクセンブルクの主要セクターの一つであるICTに焦点を当てたプログラムで、現地の事業環境に加え、サイバーセキュリティーに取り組むルクセンブルク大学のSnT学際センターによる共同研究の枠組みの紹介や、さらにはルクセンブルクで事業を拡大する米衛星企業Spireの体験談などが予定されています。ご関心のある方は、ぜひご参加ください。日英同時通訳付きです。

今年はカーゴルックス航空の小松空港就航30周年の節目です。これを記念して、小松空港で石川ルクセンブルク交流フェアを開催中です。都内でもなかなか手に入らないルクセンブルクワインをはじめ、チョコレートやテーブルウェアなど、ルクセンブルクのライフスタイルを感じさせる物産ですので、機会があればぜひお立ち寄りください。

先日、奥山爾朗駐ルクセンブルク日本大使が離任されました。経済交流も熱心にご支援頂き、今年のICT SPRINGでは、参加日本企業使節団を大使館でお受け入れ頂き、会場のご視察で応援くださいました。改めてお礼申し上げますと同時に、次の任地ヨルダンでの益々のご活躍を祈念いたします。10月26日に、後任となる松原正浩大使がアンリ大公殿下に信任状を捧呈されました。松原大使は、民間企業のご出身ということもあり、企業の交流などに新たな活力が生まれるのではと期待しております。今後も何卒よろしくお願い致します。

 

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