2025年開催の大阪万博にルクセンブルクが参加することが決まりました。26日にファイヨ経済大臣が記者会見を行い、ルクセンブルク政府が主要政策のひとつとして掲げる循環型経済のコンセプトを反映させたパビリオンにしたいと現地メディアに語りました。日本・ルクセンブルク間の交流を一層促進させるこの決定を大変うれしく思います。

東京・大阪での大規模接種会場が稼働するなど、日本でもコロナウィルスワクチン接種が本格化してきました。それでも、国民に占めるワクチン接種を済ませた人の割合が多いアメリカ、イギリス、イスラエルなどの国の背中はまだ遠い状況です。ルクセンブルクは5月24日時点で、人口約62万人のうち、ワクチンを1回接種した人は約22万人、2回完了した人は約9万7千人でした。最近のルクセンブルクの人たちの関心事は、ずっと我慢してきた外食とバカンスです。

ルクセンブルクの飲食店が半年ぶりに5月16日から屋内営業再開となりましたが、入店に際しては72時間以内のPCRの検査結果または24時間以内の抗原検査での陰性証明書を持参するか、当日飲食店で簡易キットによる検査をすることになっています。こうした措置は6月12日まで継続されます。ヨーロッパではこの夏のバカンスシーズンに向けて観光旅行再開の機運が高く、5月20日には、EUがデジタル・グリーン証明、通称「コロナパスポート」の枠組みに合意しました。これは、所持する人がワクチンを接種したか、直近の検査で陰性だったか、あるいは感染から回復して免疫を獲得しているかを示すもので、具体的な発行形態はEU加盟国各国にゆだねられています。スマートフォンのQRコードもしくは紙の形式とされていますが、ルクセンブルクではスマホアプリとしての導入が取りざたされ、7月1日のEU全域でのスタートに先駆け、6月中の導入を目指しているようです。現在すでに、ルクセンブルクではワクチン接種した際に受け取る接種証明のバーコードを読み込むことで、記録をスマートフォンなどに保管することができます。

一方で、しばらくは各国によるコロナウィルス感染症対策の国境管理状況にばらつきがあるため、旅行計画も簡単ではなさそうです。例えば、イギリスが自国民の観光目的の海外旅行再開を承認した一方、イギリス国民を陰性証明さえあれば隔離なしで受け入れる方針を示した国は5月24日時点ではポルトガルのみです。EU域内の移動は比較的自由になっていくと見られることから、ルクセンブルクの観光省はこの夏はドイツ、フランス、ベルギーといった周辺国からの観光客誘致を目指すほか、ルクセンブルク住民に国内で過ごすバカンスを提案しています。日本から訪問できるのはまだ先になりそうですが、新しいコンテンツが充実しているルクセンブルク観光プロモーションサイトVisit Luxembourg (https://www.visitluxembourg.com/en)を訪問して旅行気分だけでも味わってみてはいかがでしょうか。

世界規模でのコロナウィルスとの戦いに、ルクセンブルク企業が日本の自動車メーカーと手を組み貢献しています。トヨタが開発した世界初のWHO認証取得のワクチン輸送車には、ルクセンブルクのB Medical Systems (Bメディカルシステムズ)がワクチン専用冷蔵庫を提供しました。同社は、物流や医薬品用途に特化した冷却機器のメーカーです。トヨタのランドクルーザーに冷蔵庫を積むことで、悪路と電力不足に悩む発展途上国にもワクチンを届けることができます。

5月10日に、ギョーム皇太子殿下とステファニー同妃殿下のご長男、シャルル王子が一歳のお誕生日を迎えられ、笑顔のご一家の写真が公開されました。昨年のご生誕時にはルクセンブルクが外出制限中であったため、祖父母であるアンリ大公・マリア=テレサ大公妃両殿下とはビデオ通話で対面されていたことが思い出されます。今後も健やかなご成長をお祈りします。

 

ルクセンブルク貿易投資事務所

エグゼクティブ・ディレクター

松野百合子

 

Menu
閉じる