当事務所では、6月30日・7月1日にルクセンブルクで開催される『ICT SPRING 2022』に参加する日本のスタートアップならびに視察企業を現在募集中です。すでに非常に優秀なスタートアップ複数社にご応募頂いており、またご視察でのご参加のお問い合わせも受けています。ご検討中の方は当事務所までなるべく早めにご連絡ください。特にスタートアップ向け無料ブース枠申込みはまもなく締め切りです。

6月末には、ルクセンブルク経済省主催の貿易投資事務所カンファレンスが開催され、世界9都市にあるルクセンブルク貿易投資事務所の代表者が集まり、政府関係者や様々な経済団体、機関から最新のルクセンブルク投資誘致政策や事業環境についてブリーフィングを受けます。北米、南米、アジア、中東など様々な国で活動する各貿易投資事務所が体験や気づきを共有できる貴重な機会でもあります。この機会に日本企業の皆様に有益な情報を幅広く収集し、本ニュースレターやセミナーなどで共有してまいります。

宇宙ビジネスの育成に熱心な国として知られるルクセンブルクですが、宇宙資源の採掘・利活用ビジネスへの取り組みは他国と異なるユニーク点です。ルクセンブルクで毎年開催される『Space Resource Week 』は宇宙資源の民間による利活用に必要な要素技術や法規制整備、金融の枠組みなどを幅広く議論するフォーラムです。地上の鉱業関係者から宇宙やロボティクスなどの技術企業、アカデミアや行政機関も参加します。今年は5月3日から開催され、ルクセンブルクのファイヨ経済大臣が開会挨拶に立ち、深宇宙探査における宇宙資源の重要性や地球上でのイノベーション促進の可能性を示唆しました。JAXAの山川理事長から頂いたビデオメッセージでは、JAXAの宇宙探査ならびに宇宙資源の活用に関する活動が紹介されました。

ルクセンブルクは金融センターとして長い間、サイバーセキュリティに力を入れてきました。国立ルクセンブルク大学には学際センターSnTがあり、世界各地から招へいした研究者が官民と協力してサイバーセキュリティ研究を行っています。セキュリティーレベルの高いデータセンターでも知られ、エストニアやモナコは政府データのミラーサイト、データ大使館をルクセンブルクに設置しています。ルクセンブルクは5月5日に、NATOのサイバー防衛協力センター(CCDCOE)の正会員となることを発表しました。同センターはエストニアのタリンに本部を置き、32か国の加盟国間でサイバー防衛研究や演習などを行う機関です。世界各国で需要な機関へのサイバー攻撃が増加している中、ルクセンブルクも自国のノウハウを提供し、国際協力を推し進める狙いです。

5月11・12日にルクセンブルクのアンリ大公殿下、マリア=テレサ大公妃殿下がポルトガルを国賓として訪問しました。実は、ルクセンブルクとポルトガルには深い縁があります。1893年にポルトガル王女、マリア=アナ妃がルクセンブルクのギョーム4世と結婚して縁続きになっていた両国ですが、それから約50年後の第二次世界大戦開戦直後、ナチスの急襲を間一髪で逃れたルクセンブルクのシャルロット女大公はポルトガルに避難し、一時亡命政権を置いていました。また、1961年に勃発したポルトガル植民地戦争によるポルトガル国内の混乱や、西欧諸国の急速な経済発展と労働力不足、さらに1970年締結の両国の移民協定が背景となり、多くがルクセンブルクへ移民するようになります。現在、ルクセンブルクに住む外国人のうち、ポルトガル人の占める割合は、約3分の1に及びます。ルクセンブルクにポルトガル料理店が多いのもうなずけます。

ルクセンブルクにいらした方は、シャンパーニュ製法で作られる「クレマン」は、生産技術の研鑽や地球温暖化によるピノノワールやシャルドネの生産拡大などから、近年国際的評価をさらに高めています。先日、第31回フランス・クレマンコンクールが開催され、フランスでクレマンを名乗ることを許された8つの地域と、海外からは唯一参加を許されているルクセンブルクから多くのクレマンが出品されました。ルクセンブルクは19個の金メダルと6個の銀メダル獲得という快挙を収めました。当貿易投資事務所のウェブサイトに連載中の「ルクセンブルク・ワインラボ」の第三回『ドメーヌ・セプドール編』前編を公開しました。今回はワインベルトの最北端に位置する冷涼産地ルクセンブルクと、気象変動の影響と向き合う生産者、ドメーヌ・セプドールに焦点を当てています。是非ご一読ください。

先日、下北沢にあるルクセム(LUXEM)というカフェを訪問しました。ルクセンブルクで育ったという店主のナオキさんは、ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語、英語、日本語の五か国語を話します。人が集まるとその場で共通言語を選びながら国籍を超えて交流するルクセンブルクらしい風景を、東京にも出現させたいと考えているそうです。昼間の営業のみとのことですが、多言語交流にご興味のある方、ルクセンブルクの話をしたい方、いかがでしょうか?

エグゼクティブ・ディレクター

松野百合子

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