EUのコペルニクス気象変動サービスが、今年7月が観測史上最も暑い夏になる可能性が極めて高いと発表しましたが、世界各地で酷暑となっています。南ヨーロッパでは7月に45度を記録したところもあり、ドイツでシエスタ導入の議論がおこるなど、危険な暑さへの警戒感は欧州でも高まっているようです。皆様どうぞご自愛ください。

6月7日に都内で開催した『ルクセンブルク投資セミナー:イノベーションを支える事業環境』には定員を上回るお申し込み、多くのご参加を頂きありがとうございました。ルクセンブルク、日本から素晴らしいスピーカーが集まり、異なる角度でルクセンブルク、イノベーション、欧州事業展開についてお話下さいました。欧州、またルクセンブルクへの投資をご検討の際のご参考にして頂けましたら幸いです。また、JETRO様が今年11月末にご計画中の日本企業向けルクセンブルク訪問事業は、実際にルクセンブルクでの事業展開の感触をたしかめる絶好の機会ですので、是非ご参加をご検討ください。

同セミナーへの登壇をきっかけに来日したルクセンブルク政府のイノベーション促進機関、ルクスイノベーションのダヴィッド・フォイ国際ビジネス開発部長は、滞在中に欧州進出関心日本企業やイノベーション促進に注力する自治体などとミーティングし、日本とのテクノロジー分野での投資貿易交流の可能性を実感したようです。今後も積極的に日本の技術企業様をルクセンブルクの機関、企業に紹介していきたいと思います。

6月末に開催されたルクセンブルクのテックイベント『ICT SPRING 2023』に日本のスタートアップ企業4社、クレイ・テクノロジーズ株式会社、IDDK、INOPASE、Thermalyticaが参加され、大いに活躍されました。日本の各企業のブースには関心を持つ人が多く訪れ、ファイヨ経済大臣も松原日本大使、五十嵐つくば市長とともにブースを訪問され各社の事業の説明を受けました。併催イベント「Mastermind Challenge」でのピッチコンテストでは、素材ベンチャーのThermalyticaが、参加した世界各国のスタートアップ40社中8社のファイナリストに選出され、残念ながら優勝は逃したものの高評価を受けました。イベント最終日の夜に日本使節団のために当事務所が企画したネットワーキングディナーには、在ルクセンブルク日本大使館様や日系企業様、つくば市の使節団様、ルクセンブルク政府機関や現地スタートアップ支援機関にもご参加頂きありがとうございました。また、この機会にルクセンブルクを訪問された茨城県つくば市の五十嵐市長は、カンファレンスへのご登壇に加え、ルクセンブルク閣僚、政府機関、研究施設などと意見交換され、つくば市の交流にルクセンブルクの多くの関係者がより具体的なイメージを持てたようです。今年の秋以降のつくば・ルクセンブルクのスタートアップ交流も楽しみです。

ルクセンブルクといえば宇宙ビジネス、というイメージが日本でも定着しつつありますが、ルクセンブルクの宇宙政策、宇宙セクターの実態を詳しく知る方は少ないかもしれません。7月4-6日に都内で開催された宇宙ビジネスカンファレンス『SPACETIDE 2023』にルクセンブルク宇宙機関(LSA)のシニア・プロジェクト・マネージャーのBob Lamboray氏が登壇し、イノベーションを興すための官民協力をテーマにルクセンブルクの事例を紹介しました。ルクセンブルクが宇宙資源政策を発表し、宇宙企業誘致を始めた2016年から昨年までに、ルクセンブルク国内で活動する宇宙関連企業数は3倍になり、雇用も増えているとのこと。政府による宇宙ミッションのないルクセンブルクでは、宇宙産業の拡大は民間の活力によっています。

ルクセンブルク企業の日本参入の動きも続いています。6月末にルクセンブルクで開催された輸出企業支援イベント、Go Internationalに当貿易当事務所も参加しました。日本市場に関心を持つ企業と当事務所の石黒、中丸が面談しコンサルティングを提供しました。今年3月に日本事務所を設立した3Dスキャナー企業のArtec 3Dは、6月にCEO含む幹部が来日し、日本で顧客向けの新製品内覧会を開催したり、既存、新規顧客を訪問し技術デモを行うなど日本市場に注力しています。また、ルクセンブルクを拠点にEdge as a Service(EaaS)プラットフォームを中核に、クラウド、ネットワーク、人工知能(AI)、セキュリティなどでサービスを提供する企業、Gcoreが日本参入記者会見を開催し、日本事務所設立とサービス提供の計画を披露しました。他にも、宇宙天気サービス企業や建設業界向けARソリューションの企業などからも当事務所に日本市場参入相談が寄せられており、それぞれ支援をしていく予定です。

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