3月9-12日に東京ビッグサイトで開催された「国際宇宙産業展2022」では当貿易投資事務所ブースに多くの方にお立ち寄り頂きありがとうございました。ルクセンブルク宇宙機関(LSA)から装飾や配布物などの協力を得て、ルクセンブルクの宇宙セクターの概要と企業支援政策についてご紹介することができました。ルクセンブルクと宇宙の組み合わせは多くの来場者に驚かれ、「宇宙企業がルクセンブルクに進出するとどんな良いことがあるんですか?」というご質問を頻繁に頂きました。その回答として、1)ルクセンブルクが欧州宇宙機関(ESA)加盟国なのでESAプログラムに参加できる可能性がある、2)政府が宇宙ビジネス育成に注力しているため、支援が充実、3)法規制の整備が必要な場合に迅速に対応できる小さな政府、の3点をあげさせて頂きました。当事務所のSNSをご覧になって来場くださった方もあり、また、出展社同士の交流も非常に興味深く有意義でした。リアル開催イベントの良さを再認識しました。来年は規模を拡大して開催するそうです。

コロナ渦で1年延期の2021年秋から開催されていたドバイ万博2020が3月末で閉幕しました。次回、2025年の大阪・関西万博にルクセンブルクがパビリオン出展を決めていることから、ルクセンブルク万博チームと打ち合わせのため閉幕間際のドバイ万博を訪問してきました。ドバイは最新の高層ビル群、道路、商業施設、メトロの駅舎までも全てが規格外に大きく、ユニークな構造の建物や、まだ開発されていない区画などがランダムに表れる不思議な街でした。円安局面の出張で物価高を特に感じましたが、旅行者でも安全に快適に過ごせます。ドバイ万博は中東初の万国博覧会で、190の国と地域が参加する大規模な国際イベントとあって非常に盛り上がっていました。コロナ渦でも来場者を人数制限なく受け入れる背景には、早期に実現したワクチン大規模接種とECMOなど医療設備大量購入・配備があるとされ、万博入り口でのワクチン接種証明または陰性証明の提示やパビリオン内でのマスク着用は徹底されていました。コロナで海外旅行のできないアジア人はほとんど見かけませんでしたが、中東、ヨーロッパ、インドなどからの多くの観光客で賑わい熱気にあふれ、期間中2300万人が訪問したそうです。目覚ましい発展を遂げたドバイで開催されたこの万博は、高度経済成長期の終盤にあたる1970年の大阪万博を思い起こさせます。

ルクセンブルク館は、メビウスの輪をイメージした美しい外観と、万博史上初のすべり台が設置されたパビリオンということで、常に2-3時間待ちの人気パビリオンの一つでした。ルクセンブルクの経済の歴史を表現した3DのCG映像は良くできていて、ドバイの観光名所でもある世界最大のビル、ブルジュ・カリファにルクセンブルクが提供する鉄鋼と硝子(アルセロールミタルとガーディアン)が使われていることがさり気なくアピールされています。夜になると、真っ白なルクセンブルク館はウクライナ国旗色の青と黄色にライトアップされ、現在も続く軍事侵攻と戦う同国に連帯の意を表していました。ウクライナ館では、館内の空いている壁面や階段の手すりや天井にまで、応援のメッセージを書き込んだ色とりどりの付箋が貼り付けられていました。戦争が始まってからすでに4週間になることを感じ暗澹たる気持ちになります。日本館は大人気で入場が難しいと言われていましたが、ルクセンブルク館チームが予約手配してくれたおかげで見ることができました。三角の白いパネルが美しい幾何学模様を描くファサードからは陽の光が差し込み、エントランスは開放的で明るい雰囲気。内部で見ることのできる日本の四季を表現した映像のプロジェクションマッピングや、ユーモアに富んだミニチュア模型展示の作りこみは日本らしい完成度で、日本館は国際博覧会事務局(BIE)から展示部門の金賞を獲得したそうです。感染症対策として完全予約制とし、グループごとに各展示シーンの見学時間が決まっている秩序だったツアー形式は、自由きままに動き回ろうとする海外の人たちを少し面食らわせたかもしれません。各国パビリオンの展示や運営にお国柄が表れていて興味深かったです。

大阪・関西万博2025のルクセンブルク館は現在ルクセンブルク国内でデザインコンペの入札中です。どのような形でルクセンブルクらしさを表現するのか楽しみです。ドバイ万博ルクセンブルク館に携わったコアメンバーの多くが大阪2025プロジェクトにも関わることになりそうです。ドバイとは異なりコンパクトな、そして成熟社会での万博はどのような体験になるのでしょうか。

4月13日の17:30~、在日ベルギー・ルクセンブルク商工会議所(BLCCJ)のウェビナー「ベルギー・ルクセンブルクと日本の貿易アップデート—コロナ禍を乗り越える展望」が開催されます。日欧経済連携協定(EPA)に焦点をあて、ベルギー大使館、ベルギー・フランダース政府貿易投資局、当事務所から対日貿易についてお話するほか、ゴディバ ジャパンが同社のEPAの体験を共有します。ご興味ある方は、BLCCJ( info@blccj.or.jp)までお問い合わせください。

 

エグゼクティブ・ディレクター

 

松野百合子

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