今年も当事務所のある東京・市ヶ谷の桜がきれいに咲き誇りました。一昨年までは、この時期にイースター休暇を利用してルクセンブルクから日本を観光で訪れる友人が多数いましたが、昨年から彼らとのお花見ピクニックができなくなり少し寂しく感じます。
今週は、世界経済フォーラム(WEF)が男女格差の大きさを国別に比較した「ジェンダーギャップ指数2021」で日本の順位が120位と低かったことが話題になりました。ランキングが高いほど、格差が少ないということです。同調査によれば、日本は教育や医療へのアクセスにおいては男女格差がほとんどない一方で、政治や経済分野での意思決定への関与が少ないとのこと。ルクセンブルクは同調査55位で、日本と同様、政治の意思決定への関与の少なさが指摘されています。指標のひとつに「過去50年の女性国家元首の在籍年数」がありますが、1919年から1964年まで在位し、2度の大戦を耐え、小国ルクセンブルクの今日の繁栄の基礎を築いた賢君、シャルロット女大公の存在が対象外となってしまったのが残念です。現在のルクセンブルク内閣の女性閣僚は17名中4名です。
また、世界銀行が毎年、賃金の支払いが平等かどうかなど、経済的な権利をめぐる男女格差について調査を行っていますが、今年2月に発表された報告書では、男女の格差が最も少ないとされた同列1位の10カ国の中にルクセンブルクも数えられました。ちなみに、もう一つランキングの話をすると、先日発表された最新の「世界幸福度指数」では1位はフィンランド、ルクセンブルクは8位です。
4月19日~22日に、ルクセンブルク宇宙局主催の『Space Resources Week 2021 』(www.spaceresourcesweek.lu)が開催されます。同イベントは、宇宙セクターと地上の資源セクターそれぞれの関係者を民間、アカデミア、官公庁から幅広く集め、将来の宇宙資源探査と採掘、利活用に必要な要素技術や法整備、エコシステムなどについて議論することを目的としています。今年はオンライン開催となりますが、日本からJAXAの「はやぶさ2」プロジェクトの吉川真ミッションマネージャーが登壇するほか、4月22日の「Capability showcase Moon/Mars/Asteroids」セッションでは、東工大の坂本啓准教授が「ORIGAMI-SAT1」について発表されます。時差の関係で日本の夜開催のイベントですが、オンラインでどなたでも視聴できます。ご興味あるかたはウェブサイトから参加登録をお願いします。
ルクセンブルク政府が提供するアクセラレーションプログラム「Fit4Start」は、資金援助の可能性や優秀なメンタリングメンバーなどが評価され、年々応募数を増やしています。昨年はコロナウィルス感染拡大のため、秋の募集を取りやめましたが、今春は募集選考過程をすべてオンライン化して応募受付を開始しました。今回は、ICTと宇宙のスタートアップが対象で、応募受付締切は4月15日です。ヨーロッパ市場進出を計画中のスタートアップにとってメリットが多いプログラムですので、是非ご検討ください。
昨今、ルクセンブルク発のスタートアップから日本での事業展開に関する相談が増えています。ルクセンブルクのスタートアップエコシステムが充実してきたことを感じます。オープンイノベーションを含め、日本とルクセンブルクで面白い事業が生まれることを期待します。
ルクセンブルク貿易投資事務所
エグゼクティブ・ディレクター
松野百合子