外出制限の段階解除が開始から4週間経ったルクセンブルク。2メートルの距離を取りながらも、学校の再開、少人数の集会の許可、図書館や美術館の再開など、次第に日常を取り戻しています。先週は、王子誕生の明るいニュースもありました。Haag-松村さんからのレポート第8弾です。

レポーター:

ルクセンブルク在住20年

Haag-松村 友里江さん

 

『ルクセンブルクは4月20日から外出制限の段階的な緩和が実施されています。5月11日から更に幅広い制限緩和に移り、「セカンドフェーズ(段階2)」と呼んでいます。「段階2」についてのお知らせも各家庭に届きました。新型コロナウィルス対策に関連する政府からの一連の通達は、ルクセンブルク国旗や赤いライオンが描かれている大公紋章の赤、白、空色を使った紙面に書いてあるため直ぐ分かります。お知らせの紙と一緒に写っている旗は大公紋章を旗にしたもので、もう一つの写真はアンリ大公の誕生日を公式に祝う祝日に掲げられる国旗に大公のモノグラムが入っている特別な旗です。

(通りの写真は、外出制限開始前の風景です)

5月10日にとても明るいニュースがありました。ルクセンブルクのプリンス、ギヨーム大公世子に第1子となるシャルル王子が生まれました。シャルル王子の祖父母にあたるアンリ大公とマリア=テレサ大公妃はCovid-19感染予防からオンラインビデオ通話で初めてシャルル公子とご対面になられたとの事でした。

約2ヶ月間に及ぶ外出制限中は会いたくても孫や家族に会えない祖父母世代が多く、精神的にも厳しい期間でしたが、「段階2」になり、会える様になりました。今は、他の家庭の訪問は6人までなら許可され、屋外の公共の場で20人までなら会えます。

この緩和は、制限による精神的負担を軽減する目的で、感染を予防しながら徐々に社会交流を許すとのことです。「これは自宅の庭に20人まで人を招待し、バーベキューを行って良いとのことではありません。」と首相が強調するくらいルクセンブルクの人達は友人、家族と一緒に楽しむ気楽なバーベキューが大好きです。

「段階2」に入った初めての週末は、天気にも恵まれ、他のお宅を訪問しても庭やバルコニーに椅子を出し、離れて座りながら談笑している姿を多く見かけました。また公園などの屋外で待ち合わせて話している人達もいました。

私たちも久しぶりに夫の実家に短時間、顔を出しました。ヨーロッパの習慣のキスの挨拶はもちろん無し。マスク着用と2メートルも気をつけて…。それでも久しぶりに会えて嬉しく思いました。

「段階2」の緩和は、ゴルフ、テニスなどの身体的接触の無い屋外スポーツの再開や、図書館、美術館なども開館、レストランやカフェなどを除き、服飾店や靴屋等の営業再開も入っています。

マスク着用と2メートルの距離厳守は、公共の場では必須条件です。授業が再開された中高等学校の教室では、マスク着用義務は無いものの、学生は着用して授業を受けている様子です。

政府の方針では制限緩和になりつつも、殆どの企業は5月末まで、もしくは小学校が再開される5月25日まで在宅勤務としている様です。現在、私も在宅勤務中ですが、オフィスへの出勤はまだ未定です。職場でも2メートルの距離が確保できない場合は、チームの半数が出勤、半数は在宅などとなり、感染リスクを減らす方法を模索している様です。

美容院も約2ヶ月ぶりに再開され、とても忙しいそうです。予約制で洗髪も必ず行うことを条件に営業しています。制限生活中は、「自分で髪を切るかどうか」が話題になった位で、待ち望まれた再開でした。私も髪を切る専用キットをネットで購入し手元に持っていますが、幸い使わず仕舞いです。』

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